ある若人のブログ

どこかで学生をしているかもしれません

東京大学卒業RTA Any%

以下の内容は、「名古屋大学卒業RTA」の無許可パクリオマージュです。これを読まないと多分面白くないです。読んでもこっちは面白くないかもしれないです。元ネタはすごく面白いので是非。

 

http://nujiyucho.hatenablog.com/entry/2020/01/14/162435

 

 

先日投稿された「名古屋大学卒業RTA」は、様々なバグを用いたその斬新な手法と伝説的な記録により、いかに早く卒業するかを競う各大学の卒業RTA走者に衝撃を与えました。

 

 

以前から旧帝大などの難関大学を中心として卒業RTAのための手法やチャート作りが行われてきたことはご存知かと思いますが、こと東京大学においてはRTAが不可能と言われるほど、その作業は難航していました。

 

【東大におけるRTA】 

これまで東京大学卒業RTAを難しくしてきた主な要因は、キャップ制進振りでした。

 

 

キャップ制とは、1年間に取得できる単位数に上限が設けられることで、入学したての東大の前期課程では年間60単位までしか取得できません。先述の名大卒業RTAでも、このキャップ制のおかげでそれまでの手法が使えなくなるという界隈に激震が走る出来事がありました。

 

 

このキャップ制もさることながら、東大には進振り(現在は「進学選択制度」に改名されているが、その呼称で呼ぶ東大生はこの世に存在しない)という制度があります。これにより、大学でのカリキュラムが前期課程と後期課程に分かれ、前期課程中にいくら単位を取ろうとも、2年次の夏に進振りを受け後期課程において専門科目の単位を取得しなければ卒業することができませんでした。入学した直後に名大RTAの手法を用いて26万単位を回収しても、それらの単位は後期課程には算入されないために卒業の要件を満たさないわけです。

 

 

以上の二点が大きく邪魔をして東大のRTAで記録を残せるチャートを組むのは不可能と言われてきました。これまでに何人もの走者が安田講堂の隅に体を打ちつけたり、赤門の前で不思議なジャンプをしたりしてきましたが、有効な手段は発見されませんでした。

 

 

東大における生徒用の履修管理システムであるUTASを用い、自らの情報を書き換えて後期課程に飛び級し、そのまま単位を取り卒業するという荒技も編み出されましたが、UTASが使えるようになるのは諸手続きが完了した3月最終日〜4月頭であり、かなりの日数が空いているため現実的ではありません。なによりこの方法は最悪逮捕されてしまうので、編み出した人以外に実行者はいません。

 

 

【教務課バグ】

こうして東大卒業RTAは不可能だと結論づけられ、人々から忘れ去られようとしていたそのとき、界隈に激震が走るバグが発見されました。それは、「理科I類入学者が諸手続きの際に駒場1号館に持っていくべき書類を本郷キャンパス文学部教務課に持っていった場合、内部のデータ処理にバグが発生し文学部生として扱われる」というものです。これを界隈では教務課バグと呼んでいます。

 

 

このバグの詳しい発生条件は分かっておらず、成功率も低い上に失敗すれば諸手続きが行えず東大合格がパーになる危険なものです。一説には理科I類と文学部の分類が同じ04であることなどが要因と言われていますが、ともかくこれによって東大卒業RTAの最大の双璧であったキャップ制と進振りを突破することができたわけです(後期課程にキャップ制はない)。

 

 

あとは名大と同じ方法を用いれば東大においてもRTAができるはずですが、東大では名大におけるいくつかのバグに対策がなされており、それも乗り越えなければなりません。

 

卒業論文

まず、以上の方法で後期課程文学部になれたとしても、文学部には卒業論文があります。これについては、以下の方法で回避することができます。

 

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 これは東大文学部の卒業要項です。重要なのは赤字、こちらの要件を満たせば卒論を書かずに文学部を卒業できます。超簡潔に言えば単位を多めに取れば卒論の分を補えるよ、という卒業条件ですが、名大RTAで用いられた「BJセオリー」を用いれば65535単位獲得できるためそんなの関係ないです。そのためには、バグを用いた時に以下の専修課程(インド語インド文学、英語英米文学、ドイツ語ドイツ文学、フランス語フランス文学、南欧南欧文学、西洋古典学)に所属している必要があります。どの専修課程になっているかは、本来の手続きでの学籍番号との関連が示唆されていますが、学籍番号は自分では決められないため、バグを用いた際に以上の6専修課程のどれかに配属されていなければリセットです。

 

 

【卒業式】

卒業のフラグを立てるためには、安田講堂で行われる卒業式への参加が必要です。しかし、卒業式は諸手続きの前に行われ、入場には学生証回収イベントを立てることが必須です。学生証は諸手続きの前に行われますし、なにより教務課バグチャートでは肝心の学生証がもらえません。

 

 

この対策としては、RTAを走る前に一度東大に合格し、通常ルートで諸手続きまで進んで学生証を手に入れるのが良いでしょう。親戚や知り合いに東大生がいれば、彼らから学生証を借りたり、無くしたと偽って再発行してもらったりしてもらうのも手ですが、必ずしも周りにそういう人がいるとは限らないので、自分で手に入れる方が確実です。通常ルートで学生証を手に入れた後はそのまま大学生活を謳歌しても構いませんが、そのまま卒業するとやはり学生証を回収されるので必ず中退するか、卒業式を何らかの理由をつけて欠席しましょう

 

 

以上をまとめ、チャートを作成するとこうなります。計測地点は諸手続きのために駒場キャンパス1号館に入った瞬間から、卒業要件を満たした時点でタイマーストップです。

 

1.東大に一度合格、学生証を入手

2.1の学生証を用いて卒業式会場に入る(この時点で卒業フラグの一つ成立)

3.「二重画鋲」「単位チョコ」「せいきょうミルクプリン」「ドクターペッパー」を99個ずつ購入(「BJセオリー」参照)

4.東京大学理科I類に合格

5.諸手続きの日に駒場1号館に入り、即座に引き返して本郷キャンパスへ向かう→計測開始

6.文学部の教務課に書類提出、ステータスを確認

7.成功していた場合、そのまま本郷キャンパス安田講堂下の購買部で「BJセオリー」を行使→卒業

 

 

以上が東京大学における卒業RTAのチャートになります。

 

 

改善点としては、1時間近くかかる駒場と本郷の移動が発生するためタイムの短縮が難しく、交通状況に大いに左右されることです。駒場ー本郷間の区間練習は何度でもできるのでしっかりと練習しておきましょう。また、計測開始前に卒業式フラグを立てておくことに関しては大学卒業RTA公認記録として扱われるか厳しいところであるため、東大限定レギュレーションとしての参考記録になるかもしれません。しかしながら、不可能であると思われた東京大学においてRTAの現実的なチャートが生み出されたのは大学卒業RTA界での革新と言えるでしょう。

 

 

東大に2度合格する必要があり、前提条件を満たした上でチャレンジしたとしても教務課バグの成功率は低い、成功しても専修課程が違えばリセット&最初から(卒業式イベントで学生証が回収されていれば、その再取得から)という、大学卒業RTA界屈指の鬼畜難易度ですが、新しく発明されたこのチャートで走る人は英雄と崇め讃えられるでしょう。皆さんの幸運を祈ります。

 

 

1/21追記

本家様にこの記事を読んでいただいたようです……恐縮です。