ある若人のブログ

どこかで学生をしているかもしれません

学生オーケストラの可能性

大学からオーケストラサークルに所属しています。

 

 

中高は吹奏楽部で、管弦楽とは縁がなかった人でした。吹奏楽管弦楽の違いも、音楽に関わっていない人にとってはよく理解されていないみたいなので、簡単に言うとヴァイオリンとかの弦楽器があるのが管弦楽、ないのが吹奏楽ですね(超雑な説明)。クラシック音楽という奴です。

 

 

クラシック音楽というとどうしてもとっつきづらい、よく分からないと思われてしまうので、もっとたくさんの人に楽しんでもらうにはどうすればいいのかと日々苦心しています。一度知れば、意外と身の回りにはクラシック音楽が溢れていることに気づきます。最近見たテレビの中では、年末のガキ使ではベートーヴェンの第九の2楽章が使われていたし、格付けの扉を開ける時の音楽はリヒャルトシュトラウスの「ドンファン」冒頭です。テレビなんかのBGMはクラシック音楽の宝庫です。

 

 

しかし、クラシックに限らず趣味というものは何かきっかけがないとなかなか始めようとは思いません。そのきっかけづくりに、学生オケが最適なのではないかと最近思い始めています。

 

 

日本だけでもプロアマ問わず種々のオーケストラがあり、日本全国いろんなところで演奏会が行われています。もちろん学生が作るオーケストラよりもプロの方がずっと上手なのですが、「クラシックに興味があまりない、馴染みない人の集客」という観点では、学生オケの方がずっと有利であると思います。高校時代の友人や大学の同期などにそんな人がいれば、「クラリネットとトランペットの違いもわからないし、ファゴットなんて見たことも聞いたこともないけど、友達が出るなら聞きにいってみよう」という人たちにクラシック音楽に触れ合う第一歩が完成するわけです。これは他のどんなアマオケや、プロオケにだってできないことだと思います。

 

 

そしてここからが本当に書きたいことなのですが、演奏会のプログラムは各団体によって個性が出ていて面白いのですが、ほとんどの場合「曲解説」のコーナーが設けられています。演奏を聞く前に曲について簡単に解説し、鑑賞を手助けするためのものです。僕はこれこそが学生オケにとって一番気遣わなければならない、クラシック音楽愛好家を増やそうという試みはこの部分で成功が決まるのではないかと思っています。

 

 

こんなブログを書くくらい文章を書くのは好きなので、高校の吹奏楽部の演奏会、今の大学のオケと、今までに何度か曲解説を執筆したことはあります。しかし、自分の書いた文章を他人に評価してもらったり、他団体の演奏会に行って解説を読んだりしますが、どれも相手が自分と同等くらいの音楽知識があるものとして解説している文章ばかりになっています。クラシック音楽をやっているとどうしても、バッハとベートーヴェンはどちらが先に生まれたとか、ブラームスワーグナーは対立していたとか、マーラーという作曲家の存在を当たり前と思ってしまいますが、冷静に、高3の頃の自分はそれらの事実を知っていたのか?と考えるとそれらを常識とは決して言えないはずだと。

 

 

難しい音楽用語を使った、クラシック愛好家のための曲解説ではなく、なるべく噛み砕き、みんなが知っているようなことや人の名前、中学校の時に習ったこと、それらとの関連や歴史的な背景(もちろんあまり難しすぎるものではなく)を説明しながら、難しい言葉を仕方なく使うときはそれらの丁寧な説明を忘れず、クラシック音楽に対する認識が良い方に改まるような、そんな「クラシック初心者のための曲解説」でありたい。例えばベートーヴェンって「ジャジャジャジャーン」しか知らなかったけどこんな曲も書いたんだ、この人ってどうして学校で習うのか分からなかったけど、こんなすごい人だったんだ、顔も名前も知らない人の曲だけど、実は自分が知っていることとこんな繋がりがあるんだって、少しでも興味を持ってもらえるような文章でありたい。そういう思いで曲解説を書くようにしています。

 

 

曲解説一つになぜここまで熱くなれるかというと、クラシック音楽を聞き始めたばかりの高3のとき、右も左もわからず聞く中でネットでいろんな曲解説を漁りまくった過去があるからです。一人の青年がクラシック愛好家になるまでに感じたあの情熱と、緻密に練られた偉大な曲を少しでも理解できた時の感動を少しでも多くの人に味わってほしい。何よりも、音楽がもっと身近な存在であってほしいからです。